非特異的腰痛、特異的腰痛について

特異的腰痛の種類

整体院など外来リハビリの分野でみられる特異的腰痛の疾患に関しては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱間狭窄症、腰椎変性すべり症、変形性腰椎症、などがあります。

また、スポーツをする成長期にみられることが多いのが分離症、分離すべり症(進行したケース)であり、高齢の方に多いのが脊柱圧迫骨折です。

病院での対応となるものに、がんの脊椎転移、強直性脊椎炎、内臓疾患などがあり、特異的腰痛の分野でありますが腰痛疾患の中での割合は低いとされています。

特異的腰痛の病態

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板変性を基盤に、なんらかの外的要因で椎間板に力学的負荷がかかわり、椎間板の組織(髄核や繊維輪)が膨隆や脱出によって神経根や馬尾神経を圧迫して、神経症状を引き起こす疾患である。また、これは炎症性サイトカインによる科学的刺激、血行障害によっても神経症状が生じる。

好発部位は下位腰椎(L4~5、L5~S1)で、男女比は2対1、20~40代での発症が多い。

 

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管の狭小化により、脊柱管を通る神経や血管が圧迫されて、腰痛や下肢痛、しびれ、筋力低下、間欠性破行などの症状を引き起こすおそれのある疾患である。神経根障害、馬尾障害、混合型の3種類があるが、それぞれ症状と予後が異なる。変形性腰椎症や腰椎変性すべり症による後発的脊柱管狭窄症が多い。椎間板ヘルニアが合併するケース、術後に狭窄症になるケースもある。

 

腰椎変性すべり症

椎骨の分離がみられない状態で、椎体が前方にずれている状態(すべり変形)。中高年の女性に多く、ホルモンバランスとのかかわりが指摘されている。

椎間板や椎間関節の退行変性が大きな発症要因となる。腰椎変形すべり症は脊柱管狭窄症の代表的疾患で、馬尾障害をきたすケースが多い。

 

変形性脊椎症

椎間板の退行性変化がベースとなって、その変化が椎間関節や周囲組織の退行性変化に影響を及ぼし神経組織が刺激、圧迫されて様々な症状を呈する状態。加齢が大きな発症要因となる。また、遺伝的要因や活動性なども発症にかかわる。椎間板変性から、椎間板高の減少、椎間関節の変形性関節症変化をまねく。黄色靭帯の肥厚、骨きょくの形成などを生じ、脊柱が変形して狭窄すると神経を圧迫する。

 

腰椎分離症、分離すべり症

椎間関節の基部の骨(椎体)が分離する病態。分離症が進行して椎骨が前方にずれると、腰椎分離すべり症となる。

腰椎分離症は椎弓(脊柱の後方要素)の関節突起間部(狭部)の骨が分離した病態で、分離部の不安定性で、腰痛を生じる。

 

圧迫骨折

骨粗しょう症を基盤として、なんらかの強い外力(時に弱い外力)によって、脊柱の椎体が圧迫されて骨折した状態。